ご挨拶
薬液注入工法に使用する注入材は、その工法開発から今日に至るまで、おもに地盤改良の中でも仮設工事の分野に使用され発展して参りました。
近年、薬液注入工法には、より高い性能、効果が求められるようになり、なかでも「本設注入工事」として施工される液状化防止や耐震補強、構造物基礎強化への応用が重要課題となってきました。また砂質土においても良好な浸透性を有する、高強度、高耐久性注入薬材が求められるようになってきております。
一方、シールド工法にて使用する裏込め材として、セメントを全く使用しない、スラグ、アルカリカルシウム、水ガラスの3成分からなる注入材は、1980年代に初めて実用化され、その裏込め材としての耐久性は既に実証されています。
「ソイルサポートエース」は、この裏込め材の高い耐久性に着目し、超微粒子特殊スラグを採用することにより、高い浸透性を有する薬液注入工法用注入材として開発、実用化して参りました。また現在まで数多くの施工実績を重ね、高い技術的評価を獲得するに至っております。
「ソイルサポートエース」が有する特徴は、超微粒子の特殊スラグと特殊加工を施した超微粒子アルカリカルシウムの懸濁液を主材(A液)とし、特殊水ガラスをゲル化剤(B液)とすることにより、高性能で良好な作業性を実現したことがあげられます。
それに加え、固化物の強度とゲルタイム(固化時間)を任意に調整する事が可能であり、またその適用範囲が下表に記すように大変広く、さらに高い浸透性と長期耐久性を備えた優れた恒久注入材です。
ゲルタイム(20℃) | 強度(σ28日, N/mm2) | 主な用途 | |
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ソイルサポートエース 瞬結(高強度) | 10 ~ 20秒 | 4.5(ホモゲル) | 地盤改良 |
ソイルサポートエース 瞬結(パッカ用) | 10 ~ 20秒 | 2.0(ホモゲル) | 地盤改良 |
ソイルサポートエース 中結・瞬結 | 1 ~ 40分 | 2.5 ~ 3.5(サンドゲル) | 地盤改良 |
ソイルサポートエース α-50・α-75 瞬結 | 10 ~ 20秒 | 2.0(α-50) 4.0(α-75)(ホモゲル) |
地盤改良 |
ソイルサポートエース α-50・α-75 中結 | 1分 ~ 5分 | 2.5(α-50) 3.5(α-75)(サンドゲル) |
地盤改良 |
ソイルサポートエース EL-1 | 2時間程度 | 1.5(サンドゲル) | 液状化防止 耐震補強 |
恒久注入研究会 会長
日本クリーン薬材株式会社 取締役 下田 一雄
日本クリーン薬材株式会社 取締役 下田 一雄